「お、おまっ…そんな哀れな顔で見んな!!!」
…確かに、5日で一気に点数が伸びるなんて、簡単な話は滅多にない…。
それに、海くんをこの中で一番良く知るだろう雪夜が言うってことは、相当…その、成績が…。
勉強って、短期間でやるものではないし、私なんてテストの前日は少し参考書に目を通してすぐに寝る。
……こ、これは…
「い、やだ!やだやだ!俺キャンプ行きてーよぉ…雪夜、勉強教えて!お願ぃ…」
「は?無理だし。俺自分の勉強で手いっぱい」
雪夜は今回、前以上の成績を狙っているから、確かに人に教えている時間はないだろう。
「まあ海…今回は諦めるか…」
「そ、そんなぁ…」
伊吹も諦めモードに入ってしまったようで、海くんはまるで捨てられた仔犬のように目をうるうるさせた。

