私は雪夜の服の袖をちょこんと摘み、下唇を噛み締め、上目遣いで見上げた。 「雪夜、伊吹にそんなこと言わないで…」 途端、雪夜が固まる。 「ご、ごめんね!!もう言わないからそんな顔しないでカナちゃん!!」 どうやら、効果は絶大の様子。 「………マジでこいつうざいわ」 呆れたように、心底うざったいと言った表情の伊吹は、「こいつは置いといて…」と話を始めた。