辺りは一向に静かなままだけど、俺とカナちゃんの間には平穏な空気が流れていて。



「雪夜、一口あげる」


「え!ありがとう!」


「はい、あーん」


「え!え!!え!!!」


「…いらない?」


「い、いりますいただきます!!」



この日、後から海から聞いたが、学食で俺とカナちゃんを見た人から口々に噂が広まっていったらしい。


白石雪夜と小野カナコは、ただのバカップルだ、と…。






いやおいコラ待て"ただの"ってなんだ"ただの"って。