いつもの幻覚が俺を襲い、カナちゃんの頭に猫耳が生え、くらっと眩暈がした時、



「キス、もっと……」



俺の頭にも、なにやら猛獣の耳が生えた。


……っ、自己完結した俺が馬鹿だったか……



「……知らないよ?」


「え?……ゆ、雪夜……?」


「カナちゃんがこうしたんだからね」


「ちょっとまっ……雪……っ!」



どうやら、カナちゃんの可愛さは地上に舞い降りた天使なんかじゃ済まなかったようだ。