「もっ……これ以上、言われたら……雪夜のこ、と……忘れられなくなっちゃうからっ……」
……っ、なにそれ。
「忘れないでよ。これからも俺のそばにいて。……ダメ？」
カナちゃんの言葉に胸がギュッと締め付けられ、多分今俺はすごく弱々しい顔をしているだろう。
でももう今はそんなことどうでもいいから。
カナちゃんが……カナちゃんが俺のこと許してくれるなら、どうでもいい。
「雪夜、南さんっ……」
「南は関係ない。好きでもないよ？付き合うとかありえないから。カナちゃんは、俺と別れたい？」
どうやら相当南の事が引っかかっているようで、涙で目を潤ませながら、見上げるように聞いてくる。
