【完】甘々100%②


……ふと、どこかの教室から泣き声が聞こえる。


じーっと耳をすませてみると、誰よりも愛しい、カナちゃんの声で。



「雪夜……雪、夜っ……!」



……俺の名前を呼んでいる。

その事実が、飛び上がるほど嬉しい。



「…っ、……カナちゃ、ん!」



早く誤解をといて、抱きしめたい衝動に駆られた俺は、勢いよく教室の扉をあけた。


目の前に映ったのは、誰もいない教室の中でしゃがみ込み、ボロボロと泣いているカナちゃんの姿。



「ごめん、ごめんっ……好きだよカナちゃん……っ!」



すぐさま駆け寄って、強く、強くカナちゃんを抱きしめる。