「お前……もうカナコの事は諦めろ」
「は?……お前意味わかんねぇ事言って「諦めろっつってんだろ!!」
突然とんでもなく低い声で叫んだ有川に、誰もが体を強張らせた。
俺も、一瞬何も言えなくなる。
「あいつはな……怖えんだよ!!他人に嫌われんのも、好きな奴に好きだっつーのも!!お前……カナコのなに見てんだよ!!何で察してやらねぇんだよ!!何で聞いてやらなかったんだよ!!……んな野郎がな……彼氏名乗ってんじゃねぇよ!!」
「……っ……!」
俺を鋭い目で睨みながら、もっともな事を言う有川に、口を閉ざす。

