顔を手で覆い、勢いよく教室から飛び出していったカナちゃん。
誤解を……とかないとっ……!
俺も出て行こうと、走り出そうとした時、ふと手を握られる。
「もういいじゃん……雪夜、私と付き合うんだし」
楽しそうな、面白そうな顔でそういってくる南に、殺気すらする。
誰がお前なんかと付き合うか……
「俺は付き合ってもいいって“言った”だけだ。お前なんかと付き合わない」
「何それ……嫌だよ!付き合うって言ったじゃん!」
「じゃあ別れる。つーかさお前……」
振り返り、南を睨み付ける。
脅えたように俺の腕を掴む手が一瞬ビクッと震えたのを見のがさず、その手を振り払った。

