「助けて……詩音っ……」 いつも最終的に、助けを求めるのはこの人で…… でも…… 「…っ、……カナちゃ、ん!」 ドカンッと勢いよく開けられた教室のドアの向こうに、誰よりも愛しくて、誰よりも求めていた人。 本当は、雪夜に……そばにいてほしいっ…… 「ごめん、ごめんっ……好きだよカナちゃん……っ!」 急に抱き寄せられ、思わず涙も止むほど体が硬直する。 それでも、これは夢なのかもしれないという思いと、この言葉はただ気をつかっているだけなんだ、と思い、また涙が止まらなくなった。