「南行くぞ」 その場から立ち上がり、教室から去ろうとする雪夜。 当たり前かのように南さんの名前を呼び、その姿に胸が酷く痛む。 「…………雪夜」 張り裂けそうな胸を抑えながら出した声は、今にも消えそうな、声だった。