それには、理由がある。 理由と言っても、ただの自己満足なのだが。 “彼に振られたくなかった”のだ。 私は彼が好きだった。 小さいながらに整った顔や、無邪気な笑顔。 親に怒られて泣いていた私を、泣き止むまで一緒に居てくれた優しさとか。 幼なじみを抜きにしても、好きになっていた自信がある。 それ程好きだった。