が、穏やかな野原に不似合いなゴツい鉄柵に囲まれていた。

 「なんだよ・・・これ・・・。」

 リチャードは、超人並みの身体能力で、鉄柵を飛び越える。

 柵の向こうは、ただただ野原だった。

 遠くに、遠近で小さくなった城が建っていた。

 「あぁ・・・。お偉いさんとこのいえ(城)か。この国の王とか?」

 独り言をつぶやきながら、足を前へ前へと進めるリチャード。


 すると、先に大きめの木が見えた。

 木の下に、小さな人影が。

 (ヤッベ―――・・・!!)

 逃げようとしたリチャードより早く、その人影が手招きした。

 行きも帰りも地獄。 まさにこういうことだろうと知ったリチャード。

 (影は小さい・・・。)

 そっちのほうを睨むリチャード。

 (銃も。。。)

 胸元に隠してある銃に、服の上から触れる。

 リチャードは、木の方に向かった。