エデンの園の秘密な果実


 リチャード16歳。

 とある春に、家族でディエアヨルド王国へ旅行にきていた。

 「大きな国ね。華やかだし。」

 母リアも、良い印象だ。

 「そうだな。こういう国となにかしら条件を結びたいな。」

 父ヴィータは、望んだ事が3年後に叶うとは思わないだろう。

 が、リチャードはこの旅行に本当は行きたくなかったのだ。

 その理由は・・・なんとなく。(笑)

 「・・・どーでもいい。俺、外出嫌だったのに・・・。」

 「文句言わないの。ほら、綺麗な指輪が売ってるわ。」

 必死にリチャードをなだめるリア。

 「リチャード。ほら、この国のいいところを見つけてみたらどうだ?
  迷ったらここに集合。これなら楽しめるんじゃないか?」

 「いいの?あなた。」

 「リア、リチャードももう15だぞ?」

 少しうれしくなったリチャード。

 「うん。ちょっと近く行ってみるよ。」

 そして、リチャードは走って行った。