「ひとまず、休憩をなさってください。

  お部屋はこちらで用意させていただいてますので。」

 
 ヴィータ王は、そう言うと、

 自分の使用人に、レース家の荷物を持たせる。

 「それでは、ディナーになったらお呼びいたしますので。

  それまでごゆっくり。」

 皆がそれぞれの行動をとろうとしたとき。

 「あ、父さん。キャリー姫さんも年頃なんだし、カネリア王達と
  別の場所にしてやれよ。」

 「そっ・・・そうか。それでいいですかな?カネリア王、ミュワエリル王女。」

 (だから違うって。・・・。)

 「あっ・・・あぁ。おとなしくしていろよ。キャリー。」

 カネリアとミュワエリスは、キャリーを睨む。

 また何かしでかさないかと、疑っているのだ。

 その視線を逸らすように、キャリーはパステルピンクの瞳をとじながら、

 「はい。わかっています。」

 そう言って、リチャード王子に従って用意された部屋へ向かうのであった。

              第十二話(完)