「初めまして。
  カネリア王、ミュワエリル王女。キャリー姫。」

 (表向きでは、パパとママもう王とかじゃないんだけど・・・。)

 そんな事気にもせず、サラサラと言うヴィータ王。

 (この人、パパ達に似てる。・・・嫌い。)

 社交辞令を交わしている両家の父。

 ミュワエリルは、黙って聞いている。その顔は微笑している。

 (何よ・・・ヘラヘラ笑ってさ。・・・気色悪い。)

 ツーンとしているキャリーの前に、人影ができた。

 反射的に自然な作り笑顔をするキャリー。

 キャリーが、何を言う前に、その女性(ひと)は口を開いた。

 「ご機嫌麗しゅう?・・・って、さっきまでの顔じゃご機嫌では
 ないかもしれないわね。」

 冗談のように笑ったその女性(ひと)は、
 サンディ国王女の、リア王女だった。

 「あっ―――・・・。」

 “(誤解)”を解こうとすると、

 「大丈夫。言わないわよっ。」

 やさしく微笑んでくれたリア。

 「申し訳ありません・・・無礼を。」

 「いいわよ。それに、二人っきりだったらタメ口でいいからっ☆」

 小さな声で言うと、ウインクするリア。

 「ありがとう“ございます”。リア王女っ☆」

 二人は、クスクスと笑った。