キャリーは、実の兄のギルが嫌いだった。怖かった。
そのギルが、この世去ったのはとある真冬。
珍しく、ディエアヨルド国に大雪が積もった日だった。
その日は・・・
キャリーの死となるはずの日だった。
キャリーは、邪魔となる娘だった。
男の跡継ぎさえいれば、もう一人・・・まして女が生まれるなど、
邪魔・金の無駄遣いだった。
なぜ死となるはずの日だったのか・・・。
キャリーが寝ている夜中に、命令された使用人が、
ナイフで“殺す”・・・というのだった。
が、キャリーを抱きにきていたギルがベッドに隠れていたのだ。
運良く二人とも服を着ていた。
使用人が手を振り下ろしたその時、
ギルがシーツの中から出てきたのだ。
『!!』
使用人は、カネリアとミュワリエルが気に入っていたギルを殺してしまったのだ。
ギルからナイフを抜き取り、自らを刺し、死んだ。
“本当は自分が死ぬはずだったのに。”
“関係のない人を2人も殺してしまった”
『私のせいだ』
キャリーが、自分も死のうと使用人からナイフを
抜き取ろうとしたその時。。。
「どうした!!」
そこで、カネリア・ミュワリエス・その他の使用人・メイドが来た・・・。
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