(嘘・・・。)

 (こんな人達と、長い期間いるなんてご免だわっ・・・!)

 (ドロシーとも会えないないじゃないっ!)

 (・・・シャインからの手紙の返事は書けるかもだけど・・・。
  貰えないかも。。。)

 「わっ・・・私も一緒に行くと、この屋敷が空っぽになってしまいます。」

 「あら?ローズがいるわ?」

 (そんなことわかってるわよ・・・。)

 ローズは、黙っている。

 一瞬、キャリーをチラ見したが、複雑そうに地面へ目をやった。

 「・・・ごめんなさい。パパ、ママ。私、ここ(屋敷)から離れられません。
  ローズ叔母様と、一緒にいたいです。」

 ローズの方を見ると、ローズはうっすら笑ったように見えた。

 「それに、勉強がはかどりませんし。」

 さっとカバーをいれたキャリー。正解だ。

 「・・・そうか。お前を、無理には連れて行かない。」

 カネリアは、微笑みかけながらキャリーに言った。

 「・・・ありがとうございます。」

 父・カネリアを、決して好いていないキャリーだが、
 たった今この瞬間だけは、ありがとうと心から思った。

 「失礼します。」

 ペコっと頭を下げると、キャリーはその場から離れた。