1時間程たっただろうか。

 「ん・・・。あ、寝てたんだ。」

 キャリーは、目が覚めた。


 気がつくと、下の階が歓声などで騒がしかった。

 「・・・なんだろ・・・?」

 イヤな予感がした。とてつもなく。

 恐る恐る、階段をひとつひとつ降りて、下のロビーへ入った。

 その時―――・・・。

 「ただいま。今、帰ったよ。」

 キャリーが、世界で一番聞きたくない声だった。

 (しゃべらないで・・・。)

 「アリアから聞いたわよ?大丈夫?」

 (本当は心配の気なんて一つもないくせに・・・。)

 キャリーは、意識せずこう言った。

 それは、キャリーが世界で一番嫌いな人―――・・・。


     「パパ・・・。ママ・・・。」