そのあと、ドロシーはキャリーをベッドに寝かせて、
 すぐにいなくなった。バレたらややこしいからだ。

 「あとは、うまくごまかしといて。」

 「はい。お気を付けて、えっと・・・」

 ドロシーの名を聞いてなかったことに気づき、わたわたしているミーナに、
 フッと微笑んだ。

 「ドロシーよ。よろしくね、小さなメイドさん。」

 言いかけ、手を差し伸べたその時、

 「ミーナです。」

 ニコっと笑顔で言うミーナ。

 「・・・ミーナね。いい名前じゃない。大切にするのよ。・・・天使のような笑顔でありが とっ。また会えたらいいわね。」

 たぶんバキャリーに会いに来るから会うと思うけど
 と付け加えるドロシー。

 それを聞いて、クスッと笑う小さなメイド・・・ミーナ。

 「そうですね。またいつか。」

 二人は、ゆっくりと手を離すと、再び笑った。

 そしてドロシーは、薄紫の霧に包まれて消えた。

 「ドロシーさん・・・魔法使いだよね・・・絶対・・・。」

 そう呟いて、ハッとするミーナ。

 「そうだ、キャリーお嬢・・・キャリー様っ。」