エデンの園の秘密な果実


 そう言った瞬間――――・・・。

 ゴーーーーーーーーーーっっ!!

 大きく、強い風が、キャリーの部屋を襲った。

 本棚の本は次々と出てきて、カーテンは踊っている。

 「みんなみんな、大っ嫌いよおおおおっっ!!!」

 ゴゴゴゴゴ・・・と、地全体がうごめく感じになった。

 キャリーは、泣き叫ぶ。

 ミーナを抱きしめながら、ドロシーは目を見開いた。

 「キャ・・・・・・リー・・・・っ?」

 「うわわわわあああああああああああああ!!」

 そう言って、両手をドロシーの方に向けたキャリー。

 「きゃあああああ!!」

 ドロシーが、壁に叩きつけられた。

 「かっはっ・・・・!!」

 片目をつむって、もだえているドロシー。

 いまだ、風と揺れは止まらない。

 「みんな・・・みんな消えちゃえばいいのよ・・・!!みんな・・・みんな!!」

 キャリーがそう叫んだ、その時・・・。

 「お嬢様っ!!」

 ミーナが叫んだ。

 すると――――・・・

 豪風と、地震のような揺れが止まった。

 「「?!」」

 ドロシーとミーナは驚いていた。

 「あの子・・・何者・・・?」

 ドロシーが、腹部を抑えながら呟く。

 が、誰よりも驚いたのがミーナ本人だった。

 「なん・・・で・・・?」

 無意味と思っていたのだろう。が、止まったので驚いているのだ。

 キャリーは、意識を失い、その場に倒れていた。
 その頬には、涙が流れていた。