ドガンッッ!!

 キャリーは、ベランダの白い柵にぶっ飛ばされた。

 ドロシーの魔法の一種、“風魔法”で飛ばされたのだ。

 「痛っ―――・・・!」

 両目をギュっとつむり、痛みに耐えるキャリー。

 「キャリーお嬢様っ!!・・・なにするんですかっ?!お姉さんっ・・・」

 ミーナが、再び泣きそうになる。

 が、そんなミーナを無視して、ドロシーはキャリーに訴える。

 「アンタの機嫌一つで、人ひとりの人生何変えようとしてんのよ。
  ガキはアンタよ、バキャリー。一人でミソメソ怒ってんのも、泣いてんのも。」

 痛々しいほどの、冷ややかな瞳で、キャリーを鋭く見つめるドロシー。

 「残念ね。そんなんじゃなかったのに。もっとやさしくて、思いやりがあったのに。」

 フッと、バカにしたような笑みを浮かべるドロシーを、
 キャリーは気に入らなかったらしい。

 「二人とも、もう出てって!!」