すると出来上がった。
これまたすごくうまい。写真のようだ。
「・・・こんなの・・・なんだぁ・・・。」
キャリーは、その絵を愛おしくじぃっ・・・と見つめた。
(シャイン・・・去年より“男の人”って感じがする・・・こんなに・・・
かっこよかったっけ・・・?)
「・・・シャイン・・・。」
すると、ドロシーはキャリーの手をやさしく握った。
「シャインね、帰り際にこう言ったの。」
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「じゃあ、そろそろ帰るわね。ありがとう。」
「なんでお礼なんだよ。」
ウォレストは不思議そうに言う。
「いい気分転換にもなったし。弟子もできたし?」
意地悪な笑みを浮かばせ、ウォレストに向けるドロシー。
「おっ・・・おう・・・。いや、師匠だから“はい”か。あ、ですか。」
するとシャインが笑い転げた。
「ぎゃはははは!!ウォレストが敬語だ!ぎゃはははは!!」
これ以上ないくらい笑っているシャイン。
「うっ・・・うっせぇシャインっっ!!!!///」
顔を真っ赤にして怒るウォレストを見て、
ドロシーもシャイン同様笑った。
「ご・・・ごほんっ!俺誰かいないか見てくっから・・・。」
というと、ウォレストは少し名残惜しく片手を振って、ドロシーと別れた。
ドロシーもウォレストににっこりと笑って手を振りかえした。
「・・・それじゃ、行くわね。ありがと、シャイン。」
ドロシーは変幻の魔法を唱えようとすると・・・。
「あ・・・ちょい待って。」
「ん?何?」
柔らかく握った拳を、ドロシーに向けた。
「?これがどうしたのよ?」
するとシャインは、黙って拳を広げた。
「これっ・・・」
ドロシーはそれを見た。