ウォレストは、今日この日・・・


       初恋をした。


  相手は、1流魔法使いで優しい笑顔の持ち主。

  踵を返す度、ふわりと香るシャンプーの香りと、薄い茶色がかった白髪が揺れる。

  美しさと、まだ少し漂う可憐さがウォレストに幸せを運ぶ。

  様々な面で敏感な彼は、恋愛にも敏感だったようだ。

  
     「俺、この女に惚れてるのか・・・?」

  ウォレストは孤児だった為、恋愛などしている暇さえなかった。

  それ故に、貴重な体験だろう。

  この日から、“恋愛”という新たな初めてがウォレストに期待を届けるのだった。