「一番・・・恐れてた・・・。」

 森の奥深く―――・・・。

 ペタペタと、地面を裸足で歩く音が聞こえる。

 「私・・・シャインにだけは・・・。」

 キャリーだ。

 目をうつろうつろにし、下着姿で歩いている。

 両腕をブラリと垂らしながら。


 すると、目の前に木に囲まれた小さな洞窟みたいなのが現れた。

 キャリーは、何事もなくその洞窟へ歩いて行った。

 足は、落ちている木の破片などで血だらけ。

 「お兄ちゃん・・・今・・・“逝”くね。」

 キャリーは、闇に包まれて、消えていった。

           第三十二話(完)