「ごきげんよう、門番さんっ。」

  ほっそりとした、頼りがいのなさそうな男だった。

  (こんなガイコツが門番だなんて・・・この国が滅ぶのも時間の問題じゃない?)

  ・・・こうゆう歴史的な事をサラリと考えるのがドロシーなのだ。

  「これはこれは、どこのお嬢様かな?」

  彼も、男だ。狭い空間に男女二人きりでいるのは、やはりなにか感じるのだろう。

  笑みが・・・怖い。

  (・・・こんな男、彼女いたら尻に敷かれるわね。)

  心は黒くて顔は白い。やはりこれがドロシーなのだ。
  ・・・たまに顔に出る時もあるが。

  「門番さぁ~ん?私この国にお友達がいるのぉ。」

  ドロシーに不似合いな甘々声で、彼を魅了する。

  「3時に合う約束してるのぉ。早くしてくれるかしら?」

  時刻は2時47分。そろそろだろう。

  が、門番は

  「そうか。が、まだ時間はある。ゆっくりお嬢様の事聞いてあげるよ。」

  そう言って、門番は個人情報聞き取り用の小さな椅子を出した。

  「どうぞ。」

  「あら、ありがとう。」

  彼は、ドロシーの事を聞きながら、ドロシーの足に注目する。

  ドロシーのドレスは、太ももの真ん中ぐらいの丈だ。

  少し足を組み返すだけで、色々と危険だ。

  「~国のティナよ。」

  そう言いながら、ドロシーは足を組み直す。

  「そっ・・・そうか。」

  ノートを取りながら、門番はドロシーの足に目線をやる。

  (この変態。ま、それを狙ったんだけどね~!アハッ!((黒笑)

  ・・・相変わらず恐ろしい娘だ。

  「よし、これで終了だ。」

  ドロシーは、やっとかと腰を上げた。すると・・・。