午前2時過ぎ。

 辺りはすっかり真っ暗。そして静かな空気が流れている。

 「痛いっっ・・・てばっっ・・・!!」

 ドロシーの首筋を、めいいっぱい噛む吸血鬼化したシャイン。

 最近覚醒していなかったため、その分余計焦るドロシー。

 「いっ・・・かはっ・・・んぁ・・・ったい!!」

 シャインを、精一杯どかそうと押す。

 が、17歳の男子を同い年の女子がどかせるわけもない。

 (今ここで魔法を使うと、シャインを傷つけそう・・・っ!)

 「ウ゛ゥ・・・ガハァッ・・・」

 ドロシーの耳元で、シャインのうめき声。

 (なんで、今日に限ってキャリー一緒に寝ないのよバカっ・・!!)

 「はぁ・・・キャ・・・リィ・・・。」

 「・・・?!」

 ドロシーは、一瞬だけ、シャインが『キャリー』と呼んだのを、聞き逃さなかった。

 「シャイン・・・あなた・・・んあっ―――・・・!!」

 が、シャインは再びドロシーの首筋を噛む。

 (1・2の3・・・!!!!!)



 「キャリーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」




 ドロシーは、腹のそこから叫んだ。