『俺のじいちゃんさ・・・ドラキュラのクオーターらしいんだよね。』


 「えっ―――・・・?」

 突然の言葉に、戸惑うキャリー。

 「アハハ・・・驚いたよな・・・。」

 苦笑いのシャイン。

 「ドラキュラは、夜中から朝にかけて血を求めるらしいんだ。」

 キャリーが、ビクッとする。

 「しかも、好きでもない女に。・・・じいちゃんが生きてる頃に聞いた。」

 シャインの祖父は、シャインが10歳程で亡くなった。

 「そ・・・か・・・。」

 キャリーは、あやうく泣きそうになった。が、耐えた。

 「でも、好きな女の血を飲むと、我に返るらしい。」

 キャリーが、複雑な表情を浮かべる。

 「父さんにドラキュラの血は流れてないから・・・俺は・・・突然と思う。」

 「じゃあっ・・・!!」

 キャリーがシャインの手を握って、言った。

 「じゃあっ・・・夜は私と寝よっ?そうすれば、いつでも私の血が・・・吸える・・・
  でしょ・・・?」

 自分から言ったキャリーだが、顔は真っ赤だ。

 「でも・・・このドラキュラの血の特性が、いつ無くなるかわかんねぇし・・・。」

 そうだ。シャインはドラキュラの血が、“薄く”流れている為、血を求めるのは大人に
 なれば消えるだろう。

 が、いつ消えるかわからない。つまり、キャリーの血が大量に必要になるかもしれない
 のだ。

 「・・・いいよ。シャインの為なら、いくらでも、私の血あげる。」

 優しく微笑むキャリー。

 「明日ドロシーとウォレストに言おう。」

 「あぁ、わかった。」

 その夜、2人は一緒に寝たのだった。

            第二十八話(完)