時間は、経つもの。

 4人それぞれが、自分の部屋に入った。

 それを確認し、ドロシーが部屋からそっと出る。

 そして、ウォレストの部屋のドアを小さくノックする。

 「入れ。」

 低く、獣のような声。

 ビクッと驚いて、ドロシーは部屋に入る。

 積んである本の上に、ロウソクに火をつけて置いてある。

 そのそばで、あぐらをかいて本を読んでいた。

 「・・・何・・・?」

 ドロシーも、薄々気付いている。が、言わない。

 「・・・分かってんだろ?」


     ―――パタン・・・。

 その言葉と同時に、ウォレストは本と少し強めに閉じる。

 小さく、コクンとうなずくドロシー。

 すると、ウォレストは自分のそばの布団をパンパンと片手で小さく叩く。

 “こっちこい”ということだろう。

 再び、小さくコクンとうなずいて、ドロシーはそこへ座った。

 「・・・一応聞いとくけど―――。」

 ドロシーをチラ見しながら、ウォレストが言った。

 「嫌?」

 ・・・すると、ドロシーが目を丸くした。

 そして、ずっとウォレストを見ている。

 「・・・なんだよ。」

 ウォレストが少し照れながら言う。

 「だって・・・質問が可愛かったんだもん。」

 ドロシーは、片手を口に当てながら、上目遣いで見る。

 「かっ・・・カワイイってなんだよっ!!俺は男だぞっ!!////」

 が、耳まで真っ赤にしているウォレストはもう可愛い小動物(笑)

 「ったく!!・・・で?嫌なのかよっ?」

 ウォレストが聞く。

 すると、ドロシーが少し黙った後、こう言った。



      「嫌じゃない。」