「・・・んで?そのウォレスト君とど~したいの?」

   と言うと、ドロシーはキャリーの方を見て

  「・・・その言い方誤解招く。」

  「?なんでよ?」

  とキャリーが再びキョトンとする。

  「・・・鈍感。」

  「?」

  「その人と逢いたいのよ。」

  すると、キャリーはパッ!と明るい顔で、

  「確かに!逢ったほうがお互い何か理解できるかもよ♪」

  すると、また珍しくキャリーに同意したドロシー。

  「そうね。またこっそりあっち行ってくる。」

  ニコッと笑うドロシーに、キャリーは女でもドキッとした。

  「・・・って、あれ?こっそりって?」

  と、キャリーがドロシーに問う。

  「ん?あぁ、魔法でこっそりアンデフィドラへ。」

  「!!じゃあ私も―――――・・・!!」

  これ以上ないくらい必死にキャリーは頼む。

  が、ドロシーは苦虫を噛み潰したような顔をした。

  「・・・バカ。”それ”ができるならとっくにしてあげてるわよ。」

  キャリーも本当はわかっていた。ダメなことなんて。

  「・・・私も、ウォレストって人に逢ったら彼のこと聞いてきてあげる。」

  うつむいていたキャリーは、頑張って笑顔を作って言う。

  「・・・ごめんね。ありがとう。」

  そんなキャリーを、ドロシーは抱きしめる。

  「もうちょっと待って・・・。」

  もうちょっと、もうちょっと・・・。

  それを聞き続け、言い続け、1年半の年月がたったのだ。

  「その言葉は、聞き飽きたわ・・・。」

   呟いたキャリーの言葉を、ドロシーは聞きこぼさなかった。

                 第四話(完)