ベッドにキャリーを座らしても、キャリーはいっこうにシャインから離れようとしな
 い。

 (・・・ネグリジュ姿の女をベッドに座らせるって・・・俺どーかしてる。)

 ネグリジュとは、この時代の少しランクが上の者が着るパジャマのこと。

 ため息をつきながらキャリーの頭を意識せず優しくなでる。

 すると、キャリーがスッと数cm離れた。

 「どした?キャリー。」

 シャインが覗き込む。すると、キャリーがシャインを上目遣いに見て、

 「・・・バカ。」

 ぷうっとほっぺを膨らまして言う。

 不覚にも、“カワイイ”と思ったシャイン。

 「・・・って!なんで俺がバカなんだよっ!」

 キレ気味に聞くシャイン。

 「なでなでっ・・・なんてっ・・・ずるいよ・・・。」

 そう言って、顔を真っ赤にするキャリー。

 心底キャリーを抱きしめたい衝動に駆られたシャインだが、抑える。

 「その顔のが反則だっつーの。」

 シャインがボソッとつぶやく。

 すると、キャリーが

 「?なんか言った?」

 「なんでもねぇよっ!・・・てか、どーしたんだよ?」

 シャインが聞く。

 「シャイン・・・覚えてる?ローズ叔母様のお話・・・。」

 「?」

 そして、キャリーは“あの話”をシャインに言った。