「母ちゃー・・・んって、あ!アンジュ姉ちゃん!」

 幼い男の子が、アンジュに抱きついた。

 すると、アンジュがしゃがんで、その男の子を抱きしめ返した。

 「って、アンジュ姉ちゃん。この人達誰?」

 興味なさそうに聞く男の子。

 すると、ウォレストもその男の子の前にしゃがんだ。

 「人の名を聞く前に、自分の名名乗れ。」

 もう、しゃがむと言うより、ヤンキー座りになっている。

 男の子は、ムッとした顔になって、

 「・・・ミル。・・・ミル・ウォデール。」

 フンッと、わざと鼻息を荒く立てる所が、少しウォレストに似ている。

 「ミルか。いい名じゃねーか。俺はヴァン・ケイトリス。ヨロシクな。」

 フッと不敵に笑う所がかっこよくみえたのか、ミルと言う少年がドキッとして、

 「ヨ・・・ヨロシク。」

 少し照れて笑う。

 「何か意気投合してるわね。」

 ドロシーが馬鹿にしたような口調で言う。

 「何かいいなぁ~。うらやましい。」

 キャリーが人差し指を唇に添えて言う。

 「俺も俺も~!な~ミルー!」

 シャインも近くに座った。

 「この人もウォレストの友達?」

 「おう。親友。」

 そっけなく答えるウォレスト。

 ミルはいまだアンジュのスカートの裾を握ったまま。

 「へへー。俺ティーキ・ベステット!ヨロシクなっ、ミル。」

 「うん。ヨロシクな。」

 男子チームは仲良くなった。(笑)


 「この子も私の子。ミーナの二つ年下の弟、ミル・ウォデールよ。」

 ミルも綺麗なグレープフルーツ色の髪をしていた。短髪。

 目の色は、家族そろって深緑。