エデンの園の秘密な果実


 「ミーナがメイドになった理由って何なんですか?」

 ドロシーがキャリーの頭から手を話して、ミーナの母:レイナに問う。

 「私はこのエデン生まれなんだけど、あの子もそうなのよ。
  それで、一度ディエアヨルド国に旅行に行ったの。その時、キャロライン姫を見つ
  けて・・・。ミーナに、
  『お母さん!あのお姉ちゃん可愛い!お友達になりたい!』
  って急に言われてね。」

 (そんな事思ってくれてたんだぁ・・・。)

 嬉しさに浸るキャリー。が、次の言葉に少しショックを受けた。

 「でも、私は
  『あのお姉ちゃんは、お偉いさんだからお友達になれないのよ。』
  って言ったのよ。」

 (他の人からすると、そう思われてるんだ・・・。)

 少しうつむきがちになるキャリー。

 「そしたら、ミーナ突然泣き出してね。
  『お姉ちゃんと可愛いお洋服とかのお話したい~!うえぇ~ん!』
  って大声でね。」

 そう言って苦笑いするレイナ。

 「だから、
  『あのお姉ちゃんのいるお屋敷に入って、メイドさんになって働ければ少しお話でき
   るかもね。』
  って言ったら、急に涙止めて、
  『じゃあミーナ、メイドさんになるっ!。』
  って言ったの。そして、メイドになったのよ。」

 ニコッと微笑むレイナ。

 「頑張ってますよ、ミーナ。でも、キャロライン姫に怒られるときもあったですけどね
  ~。でもそれはキャロライン姫の機嫌の悪さでなのでミーナは理不尽極まりないんで
  すけどね~。」

 そう言って、ドロシーは“キャロライン姫”を睨んで言った。

 うっ・・・と後ろめるキャリー。

 「・・・っと、そういえば自己紹介してなかったわね。
  私は“レイナ・ウォデール”よ。よろしくね。」

 天使のような微笑みで笑う。

 「ユーリ・リボンですっ!」

 「マリー・チェウーズですっ。」

 「ティーキ・ベステットっス。」

 「・・・ヴァン・ケイトリス。」

 一人一人名前を言った。

 ―――すると、後ろから足音が聞こえた。