シャインは商店街らしき所に歩いていた。

 「おっ!背の高(たけ)ぇー坊主じゃねーか!」

 「あ、昨日のおっちゃんじゃん。」

 シャインが、店主の方を見る。

 「坊主なんて名前だ?」

 店主はウォレスト同様、シャインに肩を組む。

 「俺?俺は、ティーキ!・・・ティーキ・ベステット!」

 ニッと歯をむきだして笑う。

 「ティーキか!珍しい名前だな!まー逆に覚えやすいっちゃあ覚えやすいがな!
  ガハハハハハハ!!」

 「アハハハハ!」

 むさ苦しい男二人が、朝っぱらから笑っている所を、とある女性が呼び止めた。

 「ほら!アンタ!!朝っぱらからうるさいわよっ!!」

 「あっ!リミっっ・・・?!」

 店主が怖がっている。(笑)

 “リミ”と言われる女性(ひと)は、店主の奥さんらしい。

 「アンタっ!仕入れた野菜届いたから店に並べ・・・ろ・・・。」

 言いかけて、リミはシャインを見た。

 「確か、君・・・。」

 「うス。昨日越してきたモンです。」

 ペコッと軽く頭を下げる。

 「ゴメンねぇ~、うちの旦那が迷惑かけて~。ウザいでしょ?殴っていいわよ~。」

 見た目と口調からして、まだ若いようだが、しぐさ一つ一つが大人っぽかった。

 ・・・あえてスルーしたが、サラりと毒舌を吐くトコが誰かに似ている。

 「アハハハ~。そうさせてもらうっス~。」

 「えっ?!ちょっ・・・坊主っ!!」

 そう言って、当分の間3人は笑い合っていた。

 その店の影で・・・人影があった。