奥に進むと、森が広がっていた。

 それは、広い広い森だった。

 「・・・ここ行ったら・・・楽になるかな・・・?」

 ウォレストがうつらな表情で足を一歩踏み出そうとした時・・・。

 「ウォレスト!!」

 「!!」

 シャインが、ウォレストの腕を掴んだ。

 「ハァ・・・ハァ・・・。心配・・・させんじゃねーよ・・・。」

 あんなに落ち着いているようだったシャインも、心の中では心配でいっぱいだったの
 だ。

 「・・・くんなよ。」

 そう言って、シャインの腕を勢い良くバシッとはらう。

 「なんで・・・なんでだよっ!俺・・・お前信じてんのに・・・!!」

 シャインは、いまだに肩で息をしている。

 ウォレストが、踵を返す。

 「・・・俺だって・・・色々ある。」

 「色々って!!お前、俺にお前のこと全部教えてくれるんじゃなかったのかよっ・・・
  ?!

 シャインが、大きな声で言う。

 「うっせぇ!!・・・すぐもどる。。。一人にさせてくれっ・・・!・・・頼む。」

 うつむくウォレスト。

 「・・・もう知らねぇよ。・・・先戻ってっからな。」

 そう言って、シャインは帰っていった。

 「―――お前に心配かけたくねーんだよ。・・・気付けバカ。」

 男の二人は、お互い不器用な為、通じ合わないところがある。

 その事に気付く度、二人はいつもホンの少し距離を置くのだ。

 「「・・・ゴメン。」」

 二人は、お互いに謝るのだ。