そのころ、サンディ王国レトマンジャロ邸。

 全員があわてていた。

 キャリーがいないのだ。

 「キャリー様をお探しください!!」

 「屋敷中端から端まで探すのだ!!」

 使用人が叫んでいる。

 晩餐会に来たお偉いさん方も、ピリピリしている。

 そんな中、カネリアとミュワエリスがいた。

 「どうしましょう・・・あなたっ・・・!」

 「落ち着け、ミュワエリス!・・・あいつは、我がレース家にふさわしくなかったの   だ。」

 カネリアは、“仕方なさそうに”言う。

 「・・・私、どうしたらよいのか分かりません・・・。」

 おいおいと泣きだすミュアワエリス。

 「泣くな!ミュワ!!」

 「!!・・・あなた・・・。」

 「“ミュワ”・・・。ギルとキャリーが産まれる前に、そう呼んでいたな。。。」

 カネリアが、微笑している。

 ミュワエリスは、涙をハンカチで拭った。

 「あいつを探すぞ。・・・どんなに遠くとも。・・・でなきゃ我国の跡継ぎが消える。 そして・・・あいつには一生結婚させない。どこかの国の王子と子を産ませる。もちろ ん・・・男をな。」

 「・・・はい。あなた。」

 ミュワエリスは、黒じゃなかった・・・。白なのだが・・・。

 「この人はダメだったみたい・・・。ローズお姉さま・・・。」

 「何か言ったか?」

 「いっ・・・いえ。」

 ミュワエリスは、とぼける。

 「・・・ローズお姉さま。。。ごめんなさい。」

 悲しく、残酷なつぶやきであった。