関所に入ると、男の番人が二人いた。

 片方の、体つきがガッシリしている方は、椅子に座っている。

 もう片方の、スキンヘッドの方は、酒を飲んでいた。

 (出勤中に飲酒・・・。この国やっぱりダメなのかも・・・。)

 キャリーは、心から思った。

 「こんばんは。帰国ですか?お出かけですか?」

 あのガッシリ男が、椅子から腰を上げて言った。

 「帰国でス。アンデフィドラ国へでス。」

 ウォレストは、わざとなまりをつける。

 「全員ですか?」

 ガッシリ男が問いかける。

 「「「はイ。」」」

 キャリー、シャイン、ドロシーが答える。

 「では。お気をつけて。」

 ニコっと笑う。

 見た目に似合わず、やさしい彼は、4人を通した。

 安心した4人は、ガッチリ男の隣を横切ったら・・・。

 「めんこい女子がいるじゃねぇか。」

 あのスキンヘッドだ。奴は、キャリーをじろじろと見た。

 「こっちのボインちゃんもいいな。」

 酒を飲んでいるせいか、目をうつらうつらさせながら言う。

 そしてスキンヘッドは、ドロシーとキャリーの前に立ちはだかった。

 「・・・おやめくださイ。」

 ドロシーが、目を下にしながら言う。キャリーは、恐怖のあまりガチガチ震えている。

 「連れねぇなぁ~。な?少し俺と遊びに行かない?」

 スキンヘッドがキャリーとドロシーの肩を掴もうとした時・・・。