関所の少し近くに行くと、やはり番人がいた。

 「どうする?」

 ウォレストは、真剣に考えながら言う。

 「とりあえず、変装・・・ね。私たちはいいけど、キャリー。アンタよ。」

 するとキャリーが、

 「ドロシー。鋏(はさみ)ある?」

 「ん?いいわよ。」

 そう言って、魔術で鋏を出した。

 それを手に取ると、キャリーは・・・


   髪をバッサリ切ってしまった。

 「「「!!」」」 

 3人とも、驚いた。

 「なっ・・・何してんのよっ!」

 「変装・・・でしょ?ほら、もっと地味なワンピだして。」

 顔色一つ変えず、ワンピースを求めるキャリー。

 「・・・分かったわよ。ほら、男ども、後ろ向いてて。」

 ドロシーは半分呆れて言う。

 男どもは(笑)後ろをむいた。

 「まー、あの泣き虫キャリーがよくサッパリ切れたわね~。」

 「なっ!泣き虫は余計よっ・・・!///」

 キャリーがワンピを着ていると、ドロシーはキャリーの髪を整えながら切る。

 「わぁ~。意外に上手だね。ドロシー!」

 「それ(意外)こそ余計よ。」

 そう笑い合っていたら、キャリーの変装は完成した。

 キャリーは、薄いピンクのワンピース。そのワンピースのすそには、小さくバラの刺繍。

 このバラの刺繍には意味があった。・・・もちろん、叔母:ローズの事。


 “いつか、みんなにシャインといることが理解されるようになったら、変える”


 ・・・という意味だ。

 「さぁ、最初の戦いよ。」

 ドロシーが言う。

 「おぅ。気をつけろ、キャリー姫。」

 ウォレストが言う。

 「バレたら叫べ。俺が助けに行く。」

 シャインが言う。

 「・・・うん。ありがとう、みんな。」

 そう言って、キャリー達は関所に足を踏み入れた。。。