エデンの園の秘密な果実


 「なっ―――・・・!」

 シャインは、予想外の展開に戸惑った。

 「やめてっ・・・てば・・・!!」

 キャリーはリチャードの腕の中で必死にもがく。

 シャインは、高速でリチャードの方へ走った。

 が、それよりも早くリチャードがキャリーの唇を奪った。

 そのキスは、昼間の軽いキスじゃない深くて、激しいキスだった。

 「ヤッ・・・やめって・・・んっっ・・・!!」

「!!!!!!」

 シャインは、ついに怒りに満ち狂った。

 今のシャインには“怒り”と“憎しみ”しかなかった。

 「てんめえええぇぇぇぇぇええええ!!!!」

 シャインは、リチャードの右ほほをぶん殴った。

 たった一発で、リチャードの口から血がたれた。

 「痛(いて)ぇ・・・。」

 リチャードが怯(ひる)んだ隙に、キャリーを奪い取るシャイン。

 キャリーはシャインの腕を掴み、カタカタと震えている。

 「キャリー・・・。ゴメン。」

 「・・・ううん・・・。私も・・・ゴメン・・・。」

 キャリーはボロボロと涙をこぼした。

 「ちょっと待ってろ。」

 そう言って、シャインはリチャードに向けて走っていった。