エデンの園の秘密な果実



 「一緒に踊りませんか?」

 ふいに声をかけられ、振り向いたら――――・・・。


 あの仮面の男だった。

 「え・・・えぇ。よろこ・・・んで?」

 首をかしげるキャリー。

 今まで、シャインとふざけて踊ったぐらいだったからだ。

 誰かが言ってるのをチラッと聞いたぐらいだから、返事の仕方をしらなかったのだ。

 「お手をどうぞ。」

 「はっはいっ!」

 なぜか焦ってしまうキャリー。憎たらしいが(笑)、意外と純粋(ピュア)なのだ。

 ドキドキのキャリー。ほんのりほほが桃色に染まる。

 「あのっ・・・。」

 「ん?何・・・なんですか?」

 「私・・・下手なんだけど・・・。」

 上目遣いで、仮面の男を見る。

 「いっ・・・いえ、俺・・・私もなので。」

 フッと目を逸らす仮面の男。

 ?のキャリーは、仮面の男の後ろを見ると、側近らしきもうひとりの仮面の男が再びクスク ス笑っている。


 音楽が始まった。
 下手と自ら明かしていた仮面の男は、案外うまかった。

 側近らしきもう1人の男のほうがうまかったが。側近の男は、別の女性と踊っていた。

 キャリーもさほど下手ではなかった。

 「お上手ですよ。」

 「おっ・・・お世辞でも嬉しいデス・・・。」

 固まっているキャリー。

 そんな中、お互いが密着するという場面(シーン)があった。

 (えぇ・・・。近寄りすぎじゃない・・・?(汗))

 そのシーンになった。

 仮面の男は、キャリーの顔一つ分ぐらいの背の高さだった。

 (高いなぁ。この人。)

 そう思った直後、耳元に仮面の男の息がかかり、こそばゆくなったキャリーの耳元で、

 仮面の男は、こうつぶやいた。