エデンの園の秘密な果実


 後ろから、あのメイドが5㎝ほどの近さにいた。

 「えっ―――・・・?」

 「鈍くない?」

 その瞬間、首から上の顔だけ・・・


    ドロシーになった。


 「ド・・・ロシー・・・?」

 「あんた親友の顔も忘れたわけ?・・・フッ。反応がここまでおもしろいとはおもわな かっ―――・・・・キャッ! 」

 「ドロシー・・・ドロシーなんだよねっ・・・?!うわぁ~ん。。。」

 ドロシーに抱きついたキャリー。涙でぐしゃぐしゃだ。

 「・・・泣かないのっ!私だって我慢してんだから・・・。ほら、晩餐会なんでしょ?  目が腫れるわよ?」

 ドロシーに言われると、コクンとうなずいて、急いで涙を拭く。

 「その・・・シャイン・・・は?」

 ほんの少し、照れてキャリーは言う。

 「アイツは私みたいに魔法使えないでしょ?」

 「そか・・・。」

 残念そうにうつむくキャリー。

 「・・・でも、近日来るらしいわよ?」

 「ホントっっ?!」

 目を見開いて聞き返すキャリー。

 「えぇ。詳しくは知らないけど・・・。・・・よかったわね。」

 「うん・・・。」

 違和感だらけで、実感がわかないキャリー。

 (ホントに・・・会えるんだ・・・。)

 「ほら、ドレス着せてあげる。」