エデンの園の秘密な果実


 ドレスがたくさん入った部屋に入ると、キャリーは目がハートになった。

 「わあああああ!いっぱいある!」

 「お好きなのをお選びくださいね。」

 ニコッと笑って、少し後ろに行くメイド。

 「あ、綺麗なメイドさんっ!ちょっと待って!」

 「きっ・・・綺麗なんかじゃありませんっ!!///」

 あわてて首を振るメイド。

 「綺麗ですってば!!・・・あ、そうそう。ピンクのドレスってありますか?」

 「あっ、ピンクでございますね。こちらですよ。」

 馬鹿でかいドレスルームの端にあるらしく、丁寧に誘導してくれる。

 「あと、敬語じゃなくていいですよ?私のが小さいのに。」

 「何をおっしゃるのですか。年がどうこう関係なく、身分が違うではありませんか。
  ・・・あ、ここですよ。ピンクが主調とされたドレスコーナーです。」

 ペコと頭を下げて、再び少し後ろに下がった。

 「・・・。」

 キャリーは、黙ってドレスを選んだ。

 たくさんのドレスの山の中に、目に止まったものがあった。

 ピンクのリボンがたくさんついてあり、パステルピンクのレースがついたバラのコサージュ 付き。

 まるで、キャリーとローズをイメージしているかのようだった。

 二人だけのドレスルーム。ただ沈黙が流れる。

 (これにしよっと。)

 すると、ドレスのポケットの中から、紙が出てきた。

 「ん・・・?」

 裏向いて、字が見えない。

 (何・・・?)

 表を向けたら―――・・・。