「・・・ピーチ。」

 ボソリとつぶやいたキャリーの前に、秘密の手紙同様、光が散った。

 「ピッピッピ。」

 小さな鳴き声が聞こえた。

 「おいで、ピーチ。」

 優しくキャリーが言うと、ピーチはキャリーの目の前にとまった。

 「今はパンクズないけど、ちゃんと帰ったらあげるからね。」

 そういって、優しくピーチをなでる。

 ピッピと鳴って―――・・・消えた。


 「お願い・・・。ピーチ。」


 コンコン・・・。

 「っ!!!」

 ノックが鳴った。

 「よろしいですか?」

 「はっはい・・・。どうぞ。。。」

 とあるメイドが入ってきた。

 「ドレスを選択していただきたいのですが・・・。」

 顔つきもキレイで、優しそうな女性。

 嘘はつけなさそうな性格だ。

 明らかにキャリーより年上だが、身分的に敬語。

 ・・・それがこの時代の決まり。

 「はい・・・。そこまで案内してくれますか?」

 「はい。では、ついてきてください。」

 キャリーは部屋を出た。