今夜は晩餐会。

 使用人からお偉いさんまで大忙し。

 が、キャリーとリチャードは、リチャードの部屋でのんびりしていた。

 今日から初夏のサンディ国は、初夏レベルじゃないほど暑かった。

 「暑いよ~リチャードぉ~。」

 汗だくのキャリーは、木製の2人用の椅子で、今にも倒れそうに背もたれに凭れてい  る。

 「あぁ~・・・。この国はあっついぞ~・・・。」

 リチャードも、1人用の木製椅子で、腕おきに偉っそうに手をおいている。(笑)

 「こんな国とは思わなかった~・・・。」

 「・・・何か、ゴメン。」

 急にリチャードは謝った。

 「えっ・・・そんなしんみりしないでよっ!」

 キャリーは、驚いた。

 「・・・それに、この国にはいい事がたくさんあるじゃない。」

 「それだけは・・・言えるかもな。」

 リチャードは遠慮がちに笑う。

 「いつかわかんないけど、離れがたいわね・・・。この国から。」