”ドロシー・ハイドル”

   キャリーと同い年の16歳だが、キャリーより背が多少高い。

   さっぱりとした性格で、男勝りで喧嘩が強い。

   どんな子供でも、どんな巨男でも、悪いことをしたら、
   たちまちフライパンが飛んでくる、
   なんとも恐ろしい女の子なのだ。

   が、その容姿はキャリーの上を行く美貌だ。

   薄い茶色がかった白髪で、胸程まで伸びている。その絹糸のような美しくも長い前   髪を後ろでハーフアップにし、濃い紫色のリボンでキレイにまとめられている。

   瞳の色はエメラルドグリーンで、その目に見つめられると男共はたちまち
   メロメロになること間違いなしだろう。

   巨乳(笑)で唇が肉厚かつ美しく整った形をしている。

   
   そんなドロシーは、キャリーだけに明かしている秘密がある。

   
        ”魔法つかい”なのだ。

    しかも、1流の。最強、最恐、最狂の。

    人差し指ひと振りで、

    レース家程ではないが、大きめの屋敷が出てくる。

    この世のものとは思えない悲惨な化け物がでる。

    そして国一つが滅びる―――・・・。





   「・・・どうしたのよ?バキャリー?」

   「いや・・・なんでもないよっ!・・・って今バカって行ったわねぇぇ!!」

   キャリーは大規模な芝生の上を、まるで幼女のようにドロシーと
   駆け回った。

   自分の大切な親友・・・。

   この絆は、一生消えないだろうってキャリーは素直に思った。