ディナー後、それぞれ行動した。

 父親同士、話し合っている。

 母親同士、話し合っている。←リア王女は面倒くさそうに。


 キャリーは、ベランダにいた。

 今は初夏。なのに、無駄に蒸し暑い。

 「あついなぁ・・・。」

 遠くを見ているような瞳で、ほおずきついて、つぶやいたキャリー。

 後ろにリチャードが、キャリーに気づいた。

 「よう。」 

 「あ、リチャード君・・・。」

 ズキッ――――・・・。

 「おっ・・・おう。」

 少し戸惑うリチャード。

 昔・・・2年前呼びつけだったからか、少し・・・悲しい。

 「・・・明日、暇?」

 キャリーと同じところに行き、隣にほおずきをつくリチャード。

 「・・・急にどうしたの?」

 笑って聞くキャリー。

 「なっ・・・なんとなくだっ・・・!・・・嫌なら・・・いいけど・・・。」

 少し、うつむくリチャード。

 「・・・暇だよっ?」

 少しいぢわるな笑顔で言うキャリー。

 「そっ・・・そっか!じゃあさ、俺の友達紹介してやるよ!」

 「ホントっ?やったぁ!嬉しい♪」

 両方の手でほおずきをつき、両手をあごに沿って添える。

 「おうっ!・・・だからさ。。。」

 「ん?何?」

 キャリーは、リチャードを覗き込む。

 「だから、もうそんな顔すんな。」

 リチャードは、それだけ言うと、自分の部屋に帰っていった。

 「・・・アリガト。」

 キャリーも、そう“独り言”をつぶやいて、部屋にもどった。