「・・・誰にも言わないなら・・・言う。」

 「言わねーよ。なんだよ?」

 「絶対?」

 疑い深いキャリー。

 「あぁ。」

 「絶対の絶対?」

 さらに疑い深いキャリー。

 「言わねーってばっ!」

 リチャードは真剣に言う。

 「・・・あのね―――」

 そして、キャリーは、シャインとの関係を、ありのままリチャードに言った。

 「まさか。。。そうだったのか。」

 「うん。私達二国が仲が悪いのは知ってるでしょ?」

 「あぁ。有名だぞ?」

 右手を、あごに当てて、悩んでいるようなリチャード。

 「だから。・・・でも、15歳の私なんかじゃどうにも解決できないこと(願い事)
  なのはわかってるから・・・。余計悲しい訳で・・・」

 そういって、作り笑いのキャリー。

 「・・・言い訳じゃねーけどさ。」

 ポツリと、リチャードは口を開いた。

 「俺なんかに、このでっけぇ城から出してもらっても、嬉しくねーと思う。」

 想像もしてなかった言葉に、戸惑ったキャリーだが、すぐに

 「ううんっ・・・!ここから出してくれるならいいっ・・・!!」

 必死に訴えかけるキャリー。

 「お前はさ、シャイン王子に連れ出されたほうが、俺的にいいと思う。」

 キャリーは、ただ黙って聞いている。

 「好きな奴に、願い事叶えてもらうって、すっげぇ嬉しいと思う。」

 優しく微笑みかけるリチャード。

 「・・・そっか・・・。・・・そうだよね。ゴメン。」

 苦笑いをしながら、小さな声で言ったキャリー。

 「・・・俺こそゴメンな。力になれなくて。」

 「ううん。改めて、シャインの思いが強くなったから。」

 これは、心からの言葉。

 「・・・名前は?」

 急に、リチャードはキャリーに名前を聞いた。

 「えっ?・・・キャロライン・レース。キャリーって呼んで。」

 「俺、リチャード・レトマンジャロ。呼びつけでいいぞ。」

 「わかったっ―――・・・