木の真下に行くと、人影の正体が分かった。

 「お・・・女・・・?しかもチビ(子供)・・・。」

 「不法侵入者の言える権利じゃないでしょ?」

 うっ・・・と後ずさるリチャード。


 その少女は、キャリーだった。

 
 「チっ・・・チクんないでくんねーか?」

 少し遠慮気味に聞くリチャード。

 「言う気なんてサラサラないから安心して。不法侵入者なんて慣れっこだし。」

 「慣れ。。。」

 目を細めて、キャリーを見るリチャード。 

 「友達がよ?こっそり・・・ねっ♪」

 そう言って、ウインクするキャリー。


         ドキッ――――・・・。

 「そか。」

 「『そか。』って!・・・ま、いいけどさっ。」

 プイッと反対向くキャリー。

 「ね。」

 キャリーは、少しトーンを下げて言う。

 「何?」

 リチャードは、キャリーの隣に座りながら聞く。

 「・・・ここから出してくれる?」

 「ここって・・・このでっけぇ城からか?」

 「うん。」

 いまだに、キャリーはリチャードの方を見ない。

 「なんでそんな必要があんだよ?なーんにも不自由ねえだろ?」

 「・・・あるから言ってんのよ。バカ。」

 不機嫌なキャリー。

 「は?何逆ギレしてんの?」

 リチャードもキレてきた。

 「もういい。今の取り消し。」

 キャリーが、無理やり話をきった。

 「取り消しできねーよ。なんでだよ?」

 リチャードが聞くと、キャリーは黙った。