「ちょっと、」

「何?」

「ここはまずいって………」

「何で?」


私は今いる場所に居心地悪く感じて、
立ち止まって慎の制服の裾を引っ張った。

その私の言動に理解できないというように、
首を傾げる慎。


「だってここ、生徒立ち入り禁止じゃん。」


そう、教室から引っ張られて着いた先は、
生徒立ち入り禁止の屋上。


「見つかんなきゃ平気だろ。」

「見つかったときが怖いんですけど。」


平然とそう言う慎に、
心の中でため息をついた。


「美由、座れよ。立ってると見つかるぞ?」


慎がちゃっかり座って私に呼びかける。

私は慌てて慎に近づいて座った。