「ひかり、今日の試合9時半からキックオフなんだ。俺らは今からアップするから…部室でユニフォームとか用意しててくれるか?」
「あ、うん!オッケー!」
「あとの細かいとこは指導係に頼むから!」
「分かった!先に部室行っとくね!」
あたしは"大地も試合頑張ってね!"と加えて、部室へと向かった。
部室はやはり男の子独特の匂いがする。それにあまり綺麗に片付けられていない。
まずはやっぱり片付けからかな?ユニフォーム並べたら、片付けし始めよーッと!
再び気合いを入れるために、あたしは腕をまくってそれぞれのユニフォームを並べ始めた。
「無愛想なマネさん」
コンコンっと部室のドアをノックされる音と一緒に、玲皇君が皮肉たっぷりにそういいながら入ってきた。
「んなっ!何でいるのよ!?」
「…罰ゲーム?」
「ちょっと考えてから言うなっての!」
あたしは一応玲皇君から離れる。
距離が近かったら、何されるかわかんないからね。
「邪魔するならあっち行ってよ」
あたしは玲皇君を無視して、片付け始める。
無視してても、後ろからの玲皇君の視線はかなり痛い。…だから、刺さってるんだってば。
「大地先輩に頼まれてここに来たんだけどなぁー…」
「!?」
大地っていう言葉に反応してあたしは玲皇君の方に振り返る。
「頼まれたって?」
「指導係」
「…」
うぅ~!大地~!よりによって何でこいつなの?
「そりゃ、俺らが前話してたの知ってるからじゃない?知り合いならちょうど良いって言ってたし…」
「…」
玲皇君…エスパー?
あたしの考えてること分かるの?
「ま、そういうことだから」
そう言って、玲皇君はそばにあった椅子にドカっと腰かけた。