「………ええっ!?」


香蘭は勢いよく立ち上がり、口元に手をやった。


あまりにも秋蛍がさらりと告げたので、その言葉を飲み込むのに時間がかかってしまった。


「目を覚ました!?憂焔が!?」


「本当はそのことでここに来たんだ。つい脱線した」


お前のせいだけど、という秋蛍に、香蘭は怒鳴りたい気持ちでいっぱいになる。


「一番初めに言うべきことだわ。連れて行ってください、憂焔のところに!」


秋蛍は面倒だという顔をしたが、香蘭の剣幕にしぶしぶといった様子で立ち上がり、ついてこいというような視線を向けてから部屋を出た。



香蘭はどきどきと胸を鳴らしながら、走りだしたいのを我慢して秋蛍のあとについていった。